ベクトル解析の基礎3:回転(かいてん)
Nov 17, 2024ベクトル解析の第3回、今回は回転と呼ばれる計算を学びます。
英語だとrotation(ローテーション)やcurl(カール)などと呼ばれ、なんだか語感からはぐるぐる回ったり、くるっと丸まっているイメージがありますね。(昔、同じ名前のお菓子があって、イメージにピッタリの形をしていました。今も関西方面では売られているそうですね。)
↑計算はこのようにします。勾配や発散に比べるとずいぶん複雑ですね。これを丸暗記しようとして挫折する学生が後を絶ちません。でも、計算方法を知っていれば覚える必要はないのです。
上のスライドのように、y成分から順に横に並べて、たすき掛け。これだけです。便利なので使ってみてくださいね。
ここの計算も、詳しく追う必要はありません。前回と同じく「積分でも定義できるよ」と言いたいだけです。でも積分形の方が、微分形より何をやっているかイメージがつきやすいので、「微分で定義できるなら、べつにいいや」と思わずに、ぜひこちらも活用してあげてください。
回転の具体例は、まさに「渦(うず)」です。台風や竜巻、排水口の渦巻きなど、いくらでも身のまわりに見られる現象です。風が吹いているとき、落ち葉が風に乗ってぐるぐると回転している様子を見かけたことはないでしょうか?今度見かけたときは、この回転の計算を思い出してみてください。
以上で、今回の「ベクトル解析の基礎」シリーズは終わりです。線形代数と微分・積分の合わせ技、応用範囲が広くてとても便利なので、機会があればぜひじっくり学んでみてくださいね。