ベクトル解析の基礎2:発散(はっさん)

公開レクチャー Nov 17, 2024

ベクトル解析の基礎、第2回は発散(はっさん)についてです。ある場所で「何か」が湧き出たり、吸い込まれたりしていることに相当する計算です。

山の中で湧き水がポコポコと湧き出る、公園の噴水から水が噴き出る、排水口に水が吸い込まれる様子などをイメージしてみてください。

発散は電気や磁気に関係する現象を扱う電磁気学(でんじきがく)にも関わりの深い計算です。

発散は、前回出てきた∇(ナブラ)という演算子と、ベクトル関数の内積(ないせき)で計算できます。成分同士をかけて足す。高校数学でもよく出てくる計算です。ただし、ナブラは普通のベクトルではなく、微分演算子であることには注意しましょう。成分をかけるところは、後ろに来る成分(関数)を微分(偏微分)するという意味にすり替わります。

↑ここの計算は少しややこしいので、気にしなくて大丈夫です。詳しく知りたい方は、オンラインスクール「CSA」のグループレッスンを受講ください。ここで言いたいことは、発散は「微分」だけでなく「積分」でも定義できるよ!ということです。積分で定義しておくと、計算できる関数の制限が緩くなって、使いやすくなることが多いのです。物理学では超関数(ちょうかんすう)と呼ばれる、なんかすごそうな名前の関数(関数もどき?)が出てくることがあります。そういう、変な関数を計算する時に積分は便利なのです。

ややこしい定義は抜きにして、具体的なイメージは実は簡単です。計算結果がプラスならコポコポと湧き出ていて、マイナスならスーっと吸い込まれていくイメージです。

もっと日常的なところで言えば、お風呂にお湯をためるのも発散です。蛇口(お風呂の外)からお湯を投入して、お風呂のお湯を増やしているので、湧き出しですね(湧き出しているイメージではないですが…)。吸い込みの方は、お風呂の栓を抜いて排水するときです。こんな風に発散は、日常的によく見かけるので、探してみてはいかがでしょうか?

次回は最終回です。回転という計算について学びます。

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